大本教と戦前右翼勢力の関係から見るNWO勢力の両建構造

随分前に読んだ「三島由紀夫の226事件」松本健一著という本をなんとなく
読み返していたら、昭和裏面史の観点から興味深い事実を発見した。

それは戦前の右翼勢力と大本教の関係に関する北一輝の証言である。
北一輝は226事件に際して政府に拘束されたが、警視庁における陳述の中で
戦前の右翼勢力と大本教がどのような関係にあったかを考えるのに非常に
参考になる証言をしている。



順次引用しつつコメントしていく。

大本教を私が直接最初に知りましたのは大正9年のことでありまして、
私どもは国家改造と云ふ事を考えて居りますし、大本教は同じ意味で
建替へ、建直しと申して居るさうであります。其の間にお互ひに共通点
があるのではないかと考へまして、大本教の人々が参りましたので、
出口王仁三郎氏に上京して吾々と会見する様に話しました処、
昭和九年八、九月頃思ひますが、出口が上京したので、私、大川周明、
満川亀太郎の三人で始めて同人と会ひました

「三島由紀夫の226事件」松本健一著p63より引用


この北一輝の証言によれば、北らは積極的に出口と会見しようとしているが、
最初は大本教の方から北らの猶存社近づいていることが見て取れる。
ある政治勢力や政治グループが目立ってくると新興宗教が近づいてくるという
パターンは戦後に広くみられるわけだが、その原型は上記のような大本教が
戦前右翼に近づいたやり方にあるのかもしれない。
カルト・新興宗教の手口を究明するのに、同時代的な証言だけでは「陰謀論」と
片づけられやすいが、このような歴史的資料を参照する事で現代を映す鏡とする
ことができるのではないだろうか。

大川は私と出口との会談を見て、只一回で出口は下劣な取るに足らぬやつだと
断定しまして、私等に向かっても再び会見の必要なしと申した位で、私も変な姿の
様な印象丈けを残して其の後は心に止めない様にして居りました

「三島由紀夫の226事件」松本健一著p65より引用

これを読む限り、大川周明は出口王仁三郎に対して「下劣な取るに足らぬやつ」と
酷評している。これは、渡部悌治先生の「ユダヤは日本に何をしたか」にある
「出口との会見時、大川は肩を怒らして出口を睨みつけていた」という記述と
符合する。大川はどうも出口を嫌っていたらしい。この事を分析するに、大川は
3月事件のような統制派系のクーデター計画に関わっているように、皇道派より統制派
と気質的に近かった
ことがあると思う。一方出口王仁三郎の大本教は皇道派と近い関係
にあった。
この大川の出口に対する態度に、その後の「統制派VS皇道派」という軍部内の
両建的対立構造
が垣間見えるようだ。

大川はキリスト教によって宗教に目覚めたと言っていてキリスト教社会主義に
傾倒していたし、フリーメイソン系の思想家であるポール・リシャールと交流が
あったし、猶存社解散後に作った行地社の綱領には「自由・平等・友愛」が
掲げられていたことを考えると、出口を嫌っていたと言っても、
別系統のメーソン系の思想家だと思う。
なお渡部悌治先生によると、大川は
上海の猶太財閥に出入りしていたとの事である。


大川は満川亀太郎と並びロシア革命によって作られたソ連についても当初好意的であった。
ソ連外交官ヨッフェ来朝運動も推進している(この動きの背後には後藤新平がいたようだ)。
大川は容共的なところがある。社会改革論においては一時は「マルクスを吾師」としたと
言っているが、のちに日本主義者になっても、容共的なスタンスは残ったようだ。
共産主義は
理性の力で国家をゼロから設計・構築可能とする理性崇拝のイルミナティ思想の系列
であるが、
出口王仁三郎が典型的なオカルティストだとするならば、大川は理性主義的な国家改造を目指す
イルミナティ系統の思想家、と言えるかもしれない。
「国家を改造する」という思想・表現自体が既にしてイルミナティ思想的である)
大川は宗教に傾倒する宗教学者だが、神がかり的な所は無い。どちからというと合理主義的な
傾向が強い。それはこのその説くところの国家改造論にも表れている(皇道派的な神政復古思想
ではなく、統制経済的な国家社会主義体制の樹立を理想とした。ここが統制派との接点だろう)。
アダム・ヴァイスハウプトがメーソンのオカルティストを口を極めて罵倒していたのと、
大川が王仁三郎を「下劣な取るに足らぬやつ」と酷評したのはどこか通じるものがある気がする。

大川の軍部内で付き合う者達も、皇道思想に燃える青年将校ではなく、中堅以上の官僚的な
陸軍大学出のエリート高級軍人が多い。のちの統制派である。
この辺りは主に農村出身の青年将校に主な信奉者を得た北一輝と対照的である。
(もっとも、政治思想的には本質的に国家社会主義あるいは社会民主主義であった北一輝と、
皇道思想を信奉する青年将校は同床異夢であった)

行地社の綱領「一.維新日本の建設 一.国民的理想に確立 
一.精神世界に於ける自由の実現 一.政治生活に於ける平等の実現
一.経済生活に於ける友愛の実現 一.有色民族の解放
一.世界の道義的統一
「自由・平等・友愛」と「世界統一」というフリーメイソン思想がもれなく
盛り込まれている。愛国団体の綱領には見えない。



一方の北一輝は渡部悌治先生の前掲書には(出口王仁三郎に対して)「北は大げさな
身振りで恭しく三拝の礼をとっていたという。」と書かれているように王仁三郎に対して
表面上は恭しく接していた様子が分かる。北一輝はある意味、出口王仁三郎に匹敵する
オカルト的カリスマ
であり、「僕は支那に生まれていたら天子に成れると思った」と
豪語するような野心家で、要するに出口と同じ教祖的存在なので出口と張り合いこそすれ、
出口の軍門に下るタマでは無かったと思われる。が、この真意を隠した恭しい態度は
直情型の大川と違い、いかにも「魔王」(北のあだ名)らしい面妖な「腹芸」と言える。
王仁三郎が神道系オカルティストなのに対し、北は日蓮系オカルティストという違いもある
のでお互い利用する関係でありつつも結局「鬼」と「魔王」は並び立たなかった、と思われる。
北一輝は大本教から「日本改造法案大綱」の出版費用を引き出しているという噂もあったそうだ。
ともあれ、この興味深い「鬼」と「魔王」の邂逅は近代日本裏面史のある種のハイライト
と言えるかもしれない。

北一輝は「日本改造法案大綱」の緒言にて次のように書いている。
欧米革命論の権威等ことごとくその浅薄皮相の哲学に立脚してついに「剣の福音」を悟得するあたわざる時、高遠なるアジア文明のギリシアは率先それみずからの精神に築かれたる国家改造を終ると共に、アジア聯盟の義旗を翻して真個到来すべき世界聯邦の牛耳を把り、もって四海同胞みなこれ仏子の天道を宣布して東西にその範を垂るべし。


アジア聯盟の義旗を翻して真個到来すべき世界聯邦の牛耳を把り、
もって四海同胞みなこれ仏子の天道を宣布

と書いており、亜細亜連盟から世界連邦設立を最終目的としていることが分かる。
「四海同胞みなこれ仏子
」というのは北の法華経信仰から導き出された法華経NWO思想
ではないだろうか。最終的に世界連邦設立を目指している北一輝はこの点において
基本的に出口王仁三郎と変わるところはないと言える。
東亜連盟設立から日米の「世界最終戦争」を経て、世界統一を目指す石原完爾の
日蓮主義的なNWO思想も同断である。渡部悌治先生によると石原完爾が設立した
東亜連盟はフリーメイソンと繋がっていたようだ。そもそも「東亜連盟」という
発想自体がメーソンと同じである。
先述の大川周明の行地社も綱領として「世界の道義的統一」を掲げていたが、北・大川・石原
という戦前右翼の有力な理論家達は「東亜連邦設立→世界連邦設立」という共通したビジョン
を持っていたようだ。

亜細亜主義は元々は東亜の諸国と組んで西洋列強を打ち払うという素朴な「拡大版攘夷思想」だったが、
時代が下るにつれて、段々と「亜細亜を一つにする」というフリーメイソン的な東亜連盟思想
に変質していった。
明治になって「攘夷」が「欧化」にすり替わったのに似ている。



引き続き引用。大本教が設立した昭和神聖会についての証言である。
大本教は改造請願運動といふ名前で、田中光顕、頭山満其の他愛国団体の
尊敬してゐる人々が筆頭になって全国的の運動を開始しますし、又右傾団体
の大多数も各自の立場から暴動的な運動に展開せしめ様と致して居りますし、
如何にも表面は皇室中心の国家改造運動であるかの如き偽装をして九年末から
十年の三、四月迄相当猛烈に一般を動かして来て居りました。私は各種の情報
に依って、其の運動資金の大半が悉く大本教から出て居る事を知りましたので、
私は事態容易ならざる事を恐れ戒めて居たのであります
。」
「三島由紀夫の226事件」松本健一著p73より引用


昭和神聖会運動とその周辺の国家改造運動の運動資金の大変を大本教が出していた
という事実を右翼陣営の内部にいた者として明かしている。これは貴重な証言である。
戦後派右翼が「統一協会系」
なのに対し、戦前派右翼が「大本教系」と考えている

が、そのことがこの北一輝の供述から裏書きされる様に思う。
大本教という当時の巨大な新興宗教団体が「国家改造」を掲げるあらゆる右傾団体
の背後におり、資金提供をしていた事実
である。昭和初期の右翼運動に対して
大本教団が大きな影響力を及ぼしていたことがこの北一輝の供述から分かる。

この傾向性というのは戦後にも引き継がれている。戦後右翼は冷戦と児玉誉志夫が米国
CIAの工作員だった影響を受けて反共・親米を専らとする
が、戦前右翼の系統はアジア主義
の系譜を受け継ぎ、反米的
である。
その反米右翼の活動家が大本教の系列の生長の家出身だったり、頭山満など
玄洋社の大物から可愛がられた堀川辰吉郎(世界連邦主義者・世界救世教最高顧問・
大本教の提携団体である紅卍字会会長)の子供を称する人物が反米系陰謀論の大家で
あったり、反米系の著名な経済評論家が大本教信者であるなど、
戦後右翼が安倍一味を筆頭に統一協会系で親米なのに対し、戦前派右翼の系譜は今も
大本教系で反米(かつ親欧州)の傾向が強いのである。
(もちろん両建構造で根っ子は同じであるから、例外はあるし、完全に綺麗に分かれて
いる訳ではない。おおよその目安である。例えば、安倍偽総理は大本教系の行事に参加しているし、
明恵夫人は出口王仁三郎に興味を持っているそうである

「反米系ならいいではないか?それこそが本物の愛国者だろう?」という疑問もあるかもしれないが、
ことはそう単純ではない。反米に見せつつ実は親欧州であり、ワンワールド主義化したアジア主義
(東亜連盟論=世界連邦東アジア支部)推進者
だったりするのだ。米国経由のワンワールドではなく、
欧州系列のワンワールド陣営である場合が多いのである。例えば、親米右翼の児玉誉志夫と対になる
反米右翼の巨頭である田中清玄はオットー大公のようなEUを主導した欧州人脈と近く、東亜共同体論
を持論としていたようである(田中をオットー大公に仲介したのが三井の大番頭池田成彬だそうだ。
三井と言えばロスチャイルド財閥と近いことがよく知られている。田中が全学連に資金提供したのは
よく知られた話である。一方で田中は論争ジャーナルという雑誌を援助し、そこに参加していた
若者達が三島由紀夫の盾の会に参加している。田中は盾の会に資金提供もしている。
左の全学連と右の盾の会両方を支援したことになる。「両建」を地で行っていると言える。)。

大本教は世界連邦運動を推進している。大本教の本拠地である京都府綾部市は昭和25年に日本初の
世界連邦都市宣言」をしている。さらに大本教の仲介で綾部市とエルサレム市が姉妹都市提携を
結んでいる。綾部市と大本教の関係は、天理市と天理教の関係と相似的だろうか。
あるいは米国ユタ州とモルモン教の関係。
http://www.asyura2.com/sora/bd5/msg/430.html


汎ヨーロッパ主義
を主唱し、EU運動を推進したクーデンホーフ・カレルギーと昵懇だった
のがフリーメイソンの鳩山一郎である。鳩山一郎は反米的な姿勢だったが、カレルギーとの
交流を見ても分かるように親欧州であり、汎ヨーロッパ主義を真似た東亜共同体論者でも
あったのだ。その思想をそっくり引き継いだのが孫の鳩山由紀夫氏である。
鳩山氏は米国批判では的を得た事も言うが、同時に欧州寄りのNWO主義者であることを
注意しておくべき
である。反米右翼と鳩山氏が接近する動きがあったのも印象的
だった(ともにクリミア訪問)。

ある政治家や言論者の反米的な言説はその部分だけを評価すべきであり、反米と同時に
世界連邦を主張している場合は、その人物の言説全部を鵜呑みにしてしまって取り込まれ
ない様にすべきである。例えば東京裁判の時のパル判事の法の良心に従った立派な判決を評価
すべきであって、パル判事の世界連邦言説まで受け入れる必要は無いのと同じである。
そういえば、東京裁判の主任弁護人である清瀬一郎は世界連邦思想に傾倒しており、
世界連邦日本国会委員会」の五代目会長だった。清瀬が書いた「秘録東京裁判」
を読んだ時、世界連邦に肯定的な記述があり、違和感を感じたのを覚えている。
これはパル判事に傾倒するあまりその思想まで影響を受けたのだろう。どのような人物
の言説評価も部分部分で評価すべきであって、一つの優れた言説を主張したからと言って、
他の主張まで妥当だとは限らない
のである。この当たり前の事実を意識していれば、
反米だからと言って親欧州ルートのNWOに誘導されることはないと思う次第である。


このように
一見反米だから反NWOに見えたりするが、親米とは別ルートでのNWO主義を推進して
いる場合がある
ので注意が必要である。吾人の見るところ、大本教系の戦前派はまさに世界連邦を
推進している、親米グローバリストとは別系統のNWO主義者
である。安倍一味以下ネオコン系の
親米派は米国中心のグローバリズムを推進するNWO主義者なのに対し、大本教系のNWO主義者
は親欧州派であり、欧州寄りの東亜連盟を推進
している。前者は目につきやすいが、後者は盲点
となりがちである。だが、この両者目指す所は「一つの世界=NWO」であり、行き着く先は同じである。
親米か親欧州か、どのルートで誘導するかの違いに過ぎない。欧州人脈も米国人脈も一年に一度
ビルダーバーグ会議に集結していることを見ても、根は一つなのだ。


まとめると、

戦後派右翼≒親米右翼≒統一協会系≒親米派≒従米主義≒グローバリズム推進。

戦前派右翼≒反米右翼≒大本教系≒親欧州派≒亜細亜主義≒東亜連盟論。

というおおよその公式が成り立つかもしれない。
米国流のグローバリズムも欧州流の世界連邦運動も、帰する所無国境主義的なNWO征略である。


この辺りについては以前次のように書いたことがある。

〇オーストリアの貴族でフリーメイソンのクーデンホーフ=カレルギーの影響を受けた鳩山一郎。カレルギーは後のEUに繋がる汎欧州運動の主導者の一人。鳩山家の「反米」というのは「親欧州」と言う事でもある。田中清玄はカレルギーと親交があった由。反米・親欧州・世界連邦派。大本教も世界連邦派。

〇鹿島守之助は汎欧州運動に共鳴し汎亜細亜運動を展開。田中清玄はこの鹿島守之助やカレルギーと親交を結び亜細亜連盟構想を持つ。鳩山由紀夫氏もこの系列。反米右翼と鳩山由紀夫氏が接近。反米の世界連邦路線VS親米のネオコン系軍事的グローバリズム路線の両建構造。弁証法的にワンワールドに誘導。

〇統一協会系のネオコンと違い、世界連邦派は見た目がスマートだし米国批判をするから警戒されにくい。ネオコンの乱暴者が暴れ、それを世界連邦派が批判する。誰が見てもネオコンは極悪の戦争屋だから「もっともだ」となる。そこで巧みに世界連邦に誘導。ヘーゲル弁証法の応用である両建戦術の具体相。

〇田中清玄は三井の番頭・池田成彬の紹介で、リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギー、鹿島守之助、ハプスブルク家のオットー大公を紹介され親交を結んだ。ロスチャイルド系の三井・反米右翼の巨頭・汎欧州運動の欧州貴族。この辺の人脈が反米に見せた世界連邦派の中核だろう。鳩山家もそこに加わる。

〇リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーという母親が日本人のこの欧州貴族は非常に重要人物である。三井の池田成彬と繋がりがあり、鹿島守之助、鳩山一郎、田中清玄と言った世界連邦派に影響を与えている。鹿島の東亜連盟論や鳩山一郎のメーソン友愛思想。日本の要人をワンワールド派に巧みに洗脳。

〇鳩山由紀夫氏と反米右翼が何故共闘するのか?それは汎亜細亜論と亜細亜主義の一致だろう。戦前派右翼は亜細亜主義者が多い。一方、鳩山氏は祖父の鳩山一郎がクーデンホーフ・カレルギーの汎欧州主義の影響を受けている。東亜共同体論に繋がる発想である。反米だから反NWOとは限らない具体例である。

〇大本教信者の著名な反米系論客もいるが、大本教も世界連邦運動を推進している。なぜ反米だけでとどまらないのか?ネオコンによる軍事的グローバリズムに反対していながら、広域共同体の連結によるワンワールドには賛成という。ネオコン戦争屋は単なるダシでこっちが国際秘密力の本命にも見えるのだ。

〇鹿島守之助は大東亜共栄圏構想を唱えたが、クーデンホーフ・カレルギーの影響を受けたもののようだ。欧州のイデオローグにすっかり影響されて戦後も東亜共同体構想を推進。原発も推進。欧州系利権と共にあるような人物である。鹿島は中曽根と親戚。親米派と親欧州派は両建的同根一体なのである。

https://twitter.com/kikuchi_8/status/617716176567689221



このように「一つの世界=NWO」を目指す点で根を同じくする
「親米派VS反米派」という
両建構造があるので、常に複眼的に見ておかないと見誤る場合が多い。反米に見えるからと言って
反NWOとは限らないのである。注意すべきことである。

この辺りに気を配っていないと、反米愛国がいつの間にか別系統のNWOに誘導されてしまう
場合もありうる。親米は論外だが、反米にも罠が仕掛けられている場合があるので用心すべき
である。視点が偏ると誘導される。以前論じたように、
「左翼→統一→大本」の順番で誘導する工作員業界の円環構造があると見ている
つまり、戦後左翼に嫌気が指した人を統一系のフジサンケイ的又はネット右翼系言説が絡めとり、
そこを突破した人には大本教系の「保守」言説が待っている、という構造
である。
(これを個人的には「工作員業界の三重構造」と呼んでいる)
左翼を突破し、統一も突破したが、大本で絡めとられる場合も多いと思う。その挙句左翼
と同化してしまい振出しに戻る場合もある。「リベラル保守」などという鵺的スタンス
もあるようだ。

以前、以下のように書いたことがある。

〇「良識派の保守」を自認する人ほど左翼を批判しなくなる場合が多い気がする。単なる反左翼で、左翼「しか」批判しない親米保守・ネトウヨは問題だが、左翼を全く批判しないのもおかしい。左翼しか批判しないのと左翼を全く批判しないのも偏っている。前者が統一系、後者が大本系におおよそ分類できる。

〇単に反左翼冷戦脳なのが統一協会系保守・右翼で、左翼と同調すること=良識派保守・真の右翼と思っているかのようなのが大本教系保守、と分類している。確信犯のプロは別として、素人筋の場合、前者は右の売国が見抜けず、後者は左の売国が見抜けない傾向がある。カルトを叩き左右の売国を見破るべき。

〇統一系、大本系というのは別に信者とは限らない。主張の性質からおおよそどちらかのカルトの系列に分類できるということである。例えば、安倍一味が「保守に悖る」という批判は同感であるものの、左翼に褒められるために「保守」をやっているのでは?と見えてしまう某言論人が大本教に好意的だった。

〇工作員業界「統一→大本→左翼」三重構造で説明。①戦後左翼に疑問を持った人が「保守」に目覚めて統一系に②統一系保守・ネトウヨ言説に嫌気がさした人が「本物の保守」を自認し大本系に(この段階で当初持っていた左翼批判の視点はほぼ喪失している場合が多い)③左翼と同化。まるでウロボロスの輪。


https://twitter.com/kikuchi_8/status/657947714156556288



以上縷々述べてきたように、大本教系の右派が反米派に見せつつその実欧州系の世界連邦主義
の勢力と近い関係にあったりするのは、北一輝が供述しているように
戦前右翼勢力が大本教と
深い繋がりを持っていた事にも淵源の一つがあるのではないだろうか。そのように分析する。
その意味で北一輝が226事件時に警視庁でなした陳述内容は大変貴重な資料だと思った。


(了)

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by kokusai_seikei | 2015-12-12 07:08 | 陰謀史 | Trackback | Comments(0)
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